芸術家を目指すものたちの霊峰、夢見鳥学園。主人公はそこでかつて四君子と呼び合った3人の仲間たちと再会する。
しかし突きつけられたのは「"仲間ごっこ"は卒業しよう」という言葉。
知らぬ間に生じていた亀裂とよそよそしさ。主人公はかつての友情がいつまでもあり続けると信じていたのは自分だけだったのかと苦悩するが、
「きっとまた、あの頃のように一緒にいられる関係が気づけると信じて」
あり得ない事をなし遂げてみせると、誓った。
最初に確認しておかなければならないのは、1本道ゲーでヒロインも実質1人であるということ。そして(軽くネタバレになるが)伝奇風なループものであること。
公式サイトを見て、雰囲気重視・ファンタジーなしの純愛ゲーだと信じきっていると度肝を抜かれることになる。この感覚は「いつか、届く、あの空に。」に似てるなぁと思ったら、ライターが同じ人らしい。つまりはまぁ、そういうことである。
詳しくは後述するが、背景もCGも音楽も素晴らしい。それなにのシナリオが「俺を見て!」といわんばかりのでしゃばりぶりでこけてしまった。
序盤1/3くらいは雰囲気ゲーと割り切ってプレイすると中々良い。このあたりまではギャグも比較的多めにちりばめられていて、爆笑するものではないが、普通に笑いを伴って楽しめる。
しかし中盤に入り伝奇色が強くなってくると、とたんにテンポが悪くなり、だんだんとめんどくさくなってくる。じゃあキャラ萌えだ!と楽しみ方の転換を試みても、残念ながらそういった作りにはなっていてくれない。
なんとかこらえて最後までプレイしても「え?これで終わり?」というあっけなさで終わってしまう。雰囲気でもキャラ萌えでも、当然エロでもなく、「ストーリー」を重視したかったのだろうけれど、結局のところそのストーリーはとても単独で通用するものじゃなかった。
背景がすごく綺麗なので雰囲気はある。立ち絵は並といったところだけど、イベントCGではキャラがかなり良く描かれていて、数も多く◎。
ただしエロシーンは全編通じて実質1回しかないので、絶対に期待してはならない。
まぁまぁ。一部シーンだけが極端に重いが、特に不足を感じるところはない。
ただし、「システム上の演出」としてウェイトを取らせることが多く、シナリオのテンポの悪さとあいまってイライラすることはあるだろう。
評価 60点
「このシナリオは最高だ!感動巨編だ!」みたいなノリで無理しすぎちゃった感じがする。
背景も、CGも、音楽もそれぞれは素晴らしいのに、ストーリーを前面に押し出しすぎた。
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