常夏の街、臨海副都心「hope」。
ヒマワリが咲き、野良ペンギンが街中を歩き、
妖精の舞う街。
この街の浜辺に流れ着き記憶を失っていた主人公「渚」は、真夏のクリスマスを1ヶ月後に控えた11月、謎の少女から不登校の少女3人の捜索を依頼される。
謎の少女への手がかりを掴むために結成することになった素もぐり部、それぞれの少女との出会い。
そんな淡い日々の果てに渚がたどり着く過去とは……
まず確認しておきたいのは、SF的ファンタジーだってこと。
終盤までファンタジー要素がほぼ棚上げとなるため、ただの雰囲気重視・夏の青春物エロゲの印象が強く、クライマックスで釈然としない気持ちになってしまうかも。
記憶喪失の主人公という設定をファンタジーで解決せず、もうちょっと過去に向き合うとか、向き合わざるを得ないシナリオにするなどして、雰囲気重視・夏の青春+軽いシリアスでファンタジー抜きでやって欲しかった印象。
序盤から中盤にかけての青春群像劇は、多少の冗長さがあることも含めてありがちではあるものの、大きくはずすこともなく及第点。グラフィックも同じようなレベルなので概ね満足できる。
終盤のSF的ファンタジー部分は若干薄味な最低限のファンタジー。おかげでそれまでのゲームの雰囲気を崩さないでいられるものの、逆にいまいち釈然としない。
全体的にちぐはぐな印象を受けるが、エロゲー批評空間によるとライターが6人居るため、もしかしたらその弊害かもしれない。
オチも大団円とはいかず、いくつか説明不足な点も散見されるため、人によって後味のすっきりしない思いをするだろう。
複数原画の割には雰囲気はまとまっているが、若干の出来不出来はある。
基本的には公式絵そのままなので、中の中〜中の上といったところだろうか。
スキップがやたらと早く爽快。逆に各ルートEDが一切スキップできないのは不満。幸い流れる音楽は良いので、見たくなければBGM代わりにして別作業が可能。
各ヒロインクリア→歩ルートが一部開放のループという形式は、話の流れを考えれば悪くないものの、話をいったりきたりすることになってだるくなってしまった。
評価 50点
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きっと、澄みわたる朝色よりも、 (レビュー・感想)
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