魔法のメッカである水の神都・ヴァンチェスタにある魔法学院に転入することになった主人公は、到着したその日から学内で暴れる精霊との戦闘に巻き込まれ、それを鎮めることになった。
そのことはまたたくまに学園内の噂になり
「転校生は強いらしい!」
と様々な注目を浴びるハメに。
しかしその騒ぎも束の間、すぐに学院はマトゥリタと呼ばれる将来にも影響する実践試験に入る。
今までのストイックな生活とは一転した新たな生活の中、友情とか愛情とかなんたらかんたら。
上記の(適当な)あらすじの通り、物語はマトゥリタという試験を主軸に進められる。また、それとは別に主人公には盲目の妹に光を取り戻すという目標もあり、この2つの戦略目標と戦術目標が明確に定まっている上、途中でイベントも自然に挟まってきて、主人公も完璧超人という程ではないにしろ優秀なので読んでいてサクサク感があり、中だるみせず終始高いモチベーションで楽しめる。
また、絵からして明らかな萌えゲーであるが、メーカーがSkyFishなので萌えゲーとしてはエロ多目。エロゲーのエロにはあまり詳しくないが「萌えだけのゲームはちょっと……」という人にもお勧めできると思う。
サクサク感がありライトな萌えエロゲとしてとても楽しめる。修正パッチ未適用だと誤字は多いもののテキストの質は悪くなく、途中に挟まるイベントも自然なためチープな感じは全くない。
また、魔法少女系のエロゲでは主人公は魔法が使えなかったり、スタート時は能力に問題があったりする設定が多い中、主人公のスペックが高いのも新鮮で◎。それでも王道的に主人公に秘められた力があるあたり、押さえるところは押さえてくれていると居えるだろう。
もう1つの特徴として、名前・声・立ち絵のある男キャラが2人もいるにも関わらず、所謂「親友枠」ではなく、日常パート以外で全く関わってこず、ほとんどヒロインたちだけでシナリオが進んでいく。
各ルートでは、ライムルートでプリムや日奈名が主人公に好意をむき出しにし「あれ?これハーレムルートあるの?」って気がするが、残念ながらない。ついでに他ルートでは余りそういう雰囲気もないので、ライムルートをはじめの方にやってしまうとちょっと物足りなくなるかもしれない。
いとうのいじの絵に似てるな、と誰もが考えるところだと思う。俺もちょっと前にFlyable Heartをやっていたので、イメージはFlyable Heartそのままだった。
だがいざプレイしてみると、のいじと比較すると劣っている感は否めないと思う。それでも雰囲気のある絵だし、劣っているというのも相対的な問題に過ぎないので、プレイ開始当初違和感を覚えた人もすぐに慣れるんじゃないだろうか。
スキップが若干遅い。エロシーン多目ということもあって、エロシーンスキップ派の人はちょっと苛立ちを感じるかも。好意的に見れば、エロがシナリオに一応絡んでいるので、スキップしながらでも結構テキストが追えるのは利点かもしれない。
評価 80点